Philosophy

動物に負担の少ない質の高い獣医療を

私は、いかに飼い主様にペットの状況を分かりやすく説明できるかを意識しております。

そのことで、より動物に合った検査や治療計画をご提案することができます。

言葉を話すことができない動物の状況を一緒に理解した上で、私の技術と知識を最大限活かして懸命に獣医療にあたっていきます。

Subjects

診療対象動物

事前連絡不要
予約優先のため予め予約を取って頂く方がスムーズに診察できます。

要事前連絡

Health checkup

健康診断

動物達の寿命はひと昔に比べると、格段に長くなってきました。
その理由は獣医療の発展はもちろんのこと、飼い主様と動物の関係が「大切な家族」というものに変化し、健康診断などを意識的に行うことで病気の早期発見・早期治療に繋がってきました。

また、健康診断のもう1つの目的は健康な状態を検査結果として把握しておくことです。そのことで、体調が悪くなってしまった時と比較することができます。
さらに、ワンちゃん・ネコちゃんは生後1歳で人の20歳にあたる年齢まで急速に成長し、そこから毎年1年毎に、人の年齢の4年に相当する時間を過ごしていきます。

私たち人間も年に1回は健康診断を受けるので、年に1〜2回(ワンちゃんネコちゃんからしたら2〜4年に1回)の健康診断をお勧めします。

シルバープラン一般身体検査
血液検査(血球検査、生化学検査8項目)
ゴールドプラン一般身体検査
血液検査(血球検査、生化学検査8項目)
レントゲン検査(胸部または腹部2枚)
プレミアムプラン一般身体検査
血液検査(血球検査、生化学検査8項目)
レントゲン検査(胸部または腹部2枚)
腹部超音波検査
尿検査
血圧検査
Fleas, ticks and filaria

ノミ・ダニ・フィラリア

ノミ・マダニの予防

ノミやマダニは屋外では多種多様な場所に生息しています。家の中で繁殖することもあるため、予防が大変重要になります。
また、マダニは重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTS)という感染症を媒介することで近年有名になりました。この感染症は人を含めた哺乳類での感染が認められており、日本では2013年に初めて人において感染が報告され、犬や猫でも感染・発症が報告されています。西日本での発生が多いですが、北海道・東北・関東に生息するマダニからもSFTSウイルスが検出されていることから、全国的に分布していることが分かっています。しかし、この感染症はいまだに確実な治療法・予防法はありません。

マダニは主に屋外に生息しているため、人と飼っている動物の散歩中などにマダニを感染させないことが唯一の予防法になります。
そのため、毎月予防薬を投与するようにお勧めしています。

ダニ媒介感染症(厚生労働省):
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html

フィラリア予防

フィラリア症は蚊が媒介し、蚊に刺されることで寄生虫が体内に侵入し、心臓まで行き症状が出ます。
犬だけではなく、猫やフェレットにも感染します。

犬の場合は、フィラリアが大量に感染寄生すると咳や腹水貯留、血色素尿など特徴的な症状が出ることがあり、また診断も比較的容易に行えますが、猫の場合では診断は難しく、健康だったにも関わらず突然死の要因にもなり得ます。
いずれにしろ、感染し症状が発現すると治療・救命が困難になってくる場合も多いため、何より予防が重要になります。

地球温暖化の影響で蚊が出ている季節も長くなっていますが、当院では4~12月頃までの月に1回のフィラリア予防薬の投与をお勧めしています。予防薬には色々なバリエーションがありますが、

の場合は

おやつタイプのノミ・ダニ・フィラリアが一緒に予防できるお薬

の場合は

背中につけるスポットタイプのお薬

フェレットの場合は

粉薬かスポットタイプのお薬

をお勧めしています。その子に合った予防薬をお渡ししますので、ご相談ください。

また予防薬を処方する場合、主に犬の場合ですが事前のフィラリア検査を行います。
これは、フィラリアが少数寄生の場合、症状がまだ認められないことがあることと、感染している状態で予防薬を投与した場合、フィラリアの幼虫が一気に死滅し、ショックを引き起こす場合があるためです。

余談になりますが、フィラリア予防薬は抗寄生虫薬を使いますが、この予防薬の基礎となった薬は2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が発見したものになります。

猫のフィラリア症

フィラリア症は蚊が媒介する寄生虫による病気です。フィラリア症は犬の病気というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。しかし、フィラリア症は猫にも感染する病気です。
「うちの子は室内飼いだから大丈夫」と安心している方もいらっしゃるかもしれません。しかし、蚊は意外な場所から家の中に侵入することがあり、完全に病気を予防するのは難しいです。
今回は猫のフィラリア症について、

  • 症状
  • 診断
  • 治療
  • 予防法

を詳しく解説していきます。猫の健康を守るためにぜひご一読いただき、猫のフィラリア症について一緒に学びましょう。

フィラリア症とは

フィラリア症は、犬や猫をはじめ人にも感染する病気で、蚊を媒介して感染する寄生虫が原因です。蚊に刺されると、幼虫は皮膚から侵入し、体内の組織を移動して血管にたどり着き、成長を始めます。犬の場合、フィラリアの成虫がおもに肺の動脈や心臓に寄生し大量の成虫が詰まることで、とても重い症状を引き起こします。

猫のフィラリア症とは

猫のフィラリア症は、犬のフィラリア症とはいくつか違いがあります。猫のフィラリア感染率は、犬と比較して低いとされていますが、フィラリアに感染した犬が近隣にいる場合、猫の感染リスクは高まります。猫に感染するフィラリアの数は、犬と比べて少ないことが多いです。しかしフィラリアに対する耐性が低いため、少ないフィラリアの数で致命的なダメージを受けることもあります。

症状

猫のフィラリア症の症状はおもに肺に現れ、

  • 咳き込む
  • 呼吸が苦しくなる
  • 嘔吐する

などの症状を示すことがあります。感染して症状が出ないまま、突然死を引き起こしてしまうことも多くあります。

診断

感染するフィラリアの数が少ないため、猫のフィラリア症の診断は、犬よりも難しいことで知られています。

  • 血液検査
  • 胸部のレントゲン検査
  • 心臓のエコー検査

など、いくつかの検査を組み合わせて行いますが、診断に至らないことも多々あります。

治療

猫のフィラリア症は、診断が難しいだけでなく、治療も困難な病気です。外科手術による成虫の駆除は、危険を伴います。猫のフィラリア症では以下のような対症療法がおもな治療法となります。

  • ステロイドの投与
  • 酸素の投与
  • 気管支拡張薬の投与

駆虫薬を使用することもありますが、効果が見られないことが多く、急激で強いアレルギー症状である「アナフィラキシーショック」を起こしてしまう心配もあります。

予防期間と予防方法

フィラリア症は予防が最も重要な対策です。予防を正しく行うことで、感染を防ぐことが可能です。

  • 予防方法
    予防は、フィラリアの幼虫が血管の中に移動する前に予防薬を使うことによって行います。予防薬には、錠剤型、スポットオン型など、さまざまな種類があり、投与することで体内のフィラリアを一掃できます。
    しかし、すでにフィラリアに感染していた場合は予防薬の投与でショックを起こすことがあるので注意しましょう。
  • 予防期間
    予防薬は定期的に投与することが重要です。予防時期は、蚊の出てくる季節に予防する必要がありますが、最近は温暖化の影響もあり1年中予防することが推奨されてきています。

まとめ

猫のフィラリア症は、診断が難しく、発症してしまうと治療も困難な病気です。しかし、正しく予防をすることで、感染を防ぐことができます。猫のフィラリア症について理解を深め、適切な予防を行いましょう。

Infection prevention by vaccin

ワクチンによる感染症予防について

ワクチンとは、感染症の予防に用いる医薬品のことです。

生まれた直後の赤ちゃんは、お母さんの初乳(出産後48時間以内の母乳)を飲むことで免疫抗体(移行抗体)をお母さんからもらい、しばらくの間感染症から身体を守ってくれます。
しかし、このお母さんからもらった移行抗体は時間と共に効果がなくなっていきます。抗体がなくなってしまうと、感染症に罹患するリスクが大幅に上がり、症状も重症化します。そこで、お母さんからもらった移行抗体の効果が弱くなってくる生後8週齢頃からワクチンを投与することで、自分で免疫を作り身体を守れるようにします。

1回目のワクチンではお母さんからもらった移行抗体の働きもあり、免疫がうまく獲得できないため、12週目に2回目、16週目に3回目のワクチンを接種することで、確実な免疫を獲得させます。以降は、1年に1回ワクチンを打つことで、免疫を維持していきます。

また、コロナのワクチンで有名になりましたが、ワクチンには副反応(アレルギー反応)が出る場合があります。
ワクチンアレルギーの症状には、発熱・嘔吐・顔面の腫脹・発疹などがありますが、重症の場合、アナフィラキシーショックと言い、命に関わる場合もあります。
そのため、アレルギー症状が起きた場合に迅速かつ適切に処置するためにも、なるべく午前中のワクチン接種をお勧めしています。

犬のワクチンの種類

狂犬病ワクチン

狂犬病は犬だけではなく、人や猫をはじめとしたすべての哺乳類に感染します。
感染し発症するとほぼ100%死亡する大変恐ろしい感染症であり、「最も致死率が高い病気」としてギネス世界記録にも登録されているほどです。

ただし、この感染症はワクチン接種によって予防が可能なため、日本では狂犬病予防法によって生後90日以上の犬ではワクチン接種が義務付けられています。怠った場合、処罰の対象となるため必ず予防接種を受けましょう。

日本国内では狂犬病は長らく発症が見られない感染症になっていますが、海外ではいまだに猛威をふるっています。飼っている犬や飼い主様自身、社会のためにも正しい知識を持って予防を行うことが重要です。

混合ワクチン

主に犬に感染する感染症を予防するワクチンになります。
ジステンパーパルボウイルス感染症犬伝染性肝炎犬パラインフルエンザウイルス感染症犬コロナウイルス感染症犬アデノウイルス感染症レプトスピラ感染症(カニコーラ型、イクテロヘモラジー型)の感染症を予防します。
このうち、レプトスピラ感染症は人獣共通感染症であり、人にも感染する感染症です。

当院では6種と8種を取り扱っており、この違いはレプトスピラ感染症が入っているか入ってないかの違いになります。

幼少期に、2~3回接種し、その後1年に1回ワクチンを打つことでこれらの感染症を予防して行きます。

猫のワクチンの種類

混合ワクチン

主に猫に感染する感染症を予防するワクチンになります。

猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)猫カリシウイルス感染症猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)猫クラミジア感染症(5種のみ)猫白血病ウイルス感染症(5種のみ)の感染を予防します。

外に出ない猫ちゃんにも感染・発症することがありますので、室内飼いでもワクチン接種が推奨されており、幼少期に、2~3回接種し、その後1年に1回ワクチンを打つことでこれらの感染症を予防して行きます。

フェレットのワクチンの種類

ジステンパーに対するワクチン

フェレットは犬と近縁なため犬の感染症にかかる可能性があります。
中でも、犬ジステンパーはフェレットにも感染するリスクが高く、致死率も非常に高いため毎年ワクチン接種をお勧めしています。

フェレットは生後2カ月ごろにそれぞれのファームで1回目のワクチンを接種することが多いです。その後お家に迎えたフェレットは1ヶ月毎に3回目までのワクチンを接種し、その後は1年毎のワクチン接種が推奨されています。

また、日本国内にフェレット専用のジステンパーワクチンは無いため、犬用のワクチンを代用します。日本国内で販売されている犬用のワクチンにジステンパーのみのワクチンが存在しないため、当院ではジステンパーが含まれている犬用の2種混合ワクチンを扱っています。

※犬、猫、フェレットのワクチン接種の時に便を持ってきていただけたら、無料で便検査を行います。是非ご利用ください。

犬猫の抗体の有無について

近年、過剰なワクチン接種を避けるため、抗体有無(感染症に対する防御力)のチェックができるようになってきました。検査をして抗体が十分だった場合は、ワクチン接種を翌年まで猶予することができます。
ご興味がある方はスタッフまでお申し付けください。

ワクチチェック(外部サイトに飛びます)
Preventive

去勢・避妊手術(予防外科)

当院では、犬・猫以外にもウサギなどのエキゾチックアニマルの去勢・避妊手術が可能です。

また、当院では血管シーリングシステムを導入しているため、血管を縛る糸(異物)を極力使用せずに、迅速かつ動物の身体に負担の少ない手術が可能です。
去勢・避妊手術は、将来的に子供を産ませたいなどの考えが無いのなら、お奨めしています。
早期に手術することで、性ホルモンが関与する病気の予防になります。

オスの場合

会陰ヘルニア前立腺肥大肛門周囲腺腫精巣腫瘍

メスの場合

卵巣・子宮疾患(卵巣癌、卵巣嚢腫子宮癌子宮蓄膿症子宮水腫子宮出血)乳腺腫瘍

などの発生を予防することができます。

また、当院では“乳腺がんで苦しむ猫を0にする”キャットリボン運動にも協賛しております。生後半年以前で避妊手術をすることで、乳がんの発生率を91%も低下させることができます。
詳しくは下記のHPをご覧ください。

キャットリボン運動バナー
キャットリボン運動(外部サイトに飛びます)

動物を家族に迎え入れて、初めてのことだと不安になることと思います。ご不明な点・ご不安などあれば、お気軽に当院にご相談ください。

Microchip

マイクロチップ

マイクロチップとは名札みたいなもので、現在犬猫を飼っている飼い主様の義務範囲は「努力義務」となっています。
特に震災などで迷子になってしまった場合、マイクロチップが装着されている動物の方が飼い主様の元に戻れる確率が高くなります。
マイクロチップの装着は動物病院で行え、装着方法は一般的な皮下注射よりは太い針になりますが、動物への負担はそれほど高くありません。

マイクロチップは有事の際に「装着していて良かったな」と思えるものです。
当院でもマイクロチップの挿入は可能ですので、ご希望がある方はご連絡ください。