犬の子宮蓄膿症について
子宮蓄膿症とは、子宮に細菌が入ることで感染を起こし、子宮の中に大量の膿が溜まってしまう疾患です。
中年齢以降の避妊手術を行なっていない犬で発症することが多く、発症には発情出血開始1~2ヶ月後に分泌されるプロジェステロンと呼ばれるホルモンが関与しています。
診断は血液検査や画像検査によって行い、治療はほとんどが手術による子宮卵巣の摘出になります。
緊急性が非常に高い疾患であり、治療が遅れると致命的になってしまうこともあります。
今回は手術により治療した子宮蓄膿症のわんちゃんの症例です。
犬の子宮蓄膿症の症例
症例は8歳3ヶ月の犬で、3日前から食欲廃絶・嘔吐下痢を主訴に来院しました。
来院時に子宮蓄膿症が疑われたため、すぐに検査を行いました。
検査の結果、子宮蓄膿症と診断したため、その日のうちに手術を行いました。
子宮は重度に拡張し、中に膿が大量に溜まっていました。
手術後、数日で食欲も改善し、退院後元気になってくれました。
子宮蓄膿症は犬のメジャーな緊急疾患です。経過が長いと致命的になってしまう恐ろしい病気です。
避妊手術していないわんちゃんで、調子が悪くなったらすぐに病院に来院してあげてください。
執筆担当:院長 渦巻浩輔