猫の耳疥癬について

耳疥癬症は耳ダニ症とも呼ばれ、猫において最も一般的に見られるダニ寄生症です。
感染は主に新生児子期に起こり、母猫からや子猫同士で感染します。
症状は、耳の痒みと黒っぽい耳垢が主にあり、診断は耳垢の顕微鏡検査によってダニを検出することによって行われます。

子猫の耳疥癬の症例

今回は、健診中に耳疥癬を見つけた症例です。
症例は3ヶ月の子猫で、健診中に黒い耳垢を認めました。
耳垢を取って顕微鏡で確認したところ、耳疥癬を検出しました。

治療は滴下タイプの駆虫薬を使い、治療しました。

画像:顕微鏡で検出した耳疥癬

この耳疥癬は猫だけではなく、犬やフェレットにも感染します。
同居に他に動物がいる場合は、既に感染している可能性を考慮して、その子達も一緒に駆虫する必要があります。

新しく動物を迎え入れた時は、なるべく早めに病院で健康診断を実施することをお勧めします。

執筆担当:院長 渦巻浩輔

この記事を書いた人

渦巻浩輔

2013年大学卒業後、埼玉県坂戸市のブン動物病院で4年間の勤務医を務め、犬や猫、エキゾチックアニマルの診療に携わる。2016年からは東京都の小滝橋動物病院グループに勤務し、CTやMRI、心臓外科、脳神経外科を始めとした高度医療施設に身を置き、2019年からは同動物病院グループの市ヶ谷動物医療センターにてセンター長を務める。高度医療に携わりながら地域の中核病院として診療を行なった。2022年11月、東京都板橋区赤塚に成増どうぶつ病院を開院する。日本獣医循環器学会・日本獣医麻酔外科学会・獣医アトピー・アレルギー・免疫学会・日本獣医エキゾチック動物学会所属。特に循環器・呼吸器の診療を専門とし、心臓病についてのセミナー講師も行っている。