ウサギの去勢手術について

去勢手術とは雄の不妊化の手術であり、左右にある精巣を摘出する手術です。
雌の不妊化の手術は避妊手術と呼びます。

ウサギさんで去勢手術をする目的は、雌に比べるとそこまで多くはありません。(雌は避妊手術をすることで病気が予防できます。)
雄の場合、一般的には行動学的問題を軽減するために行われることが多く、去勢手術をすることでやや性格が穏やかになり、縄張りに対しての意識やスプレー行動が軽減され、飼い主様とのコミュニケーションが取りやすくなることがあります。
病気でいえば、精巣腫瘍には罹患しなくなります。
また、新しく雌のウサギさんを迎える際に望まぬ妊娠を防ぐために行われます。

今回は去勢手術を行なったウサギさんの紹介になります。

ウサギの去勢手術の症例

今回は去勢手術をしたウサギさんの症例です。
症例は生後半年のウサギさんで、去勢手術を目的に来院しました。

去勢手術は全身麻酔下の手術になるため、手術前の検査を行った上で去勢手術を行いました。
手術も滞りなく終わり、元気に目を覚ましてくれました。

写真は去勢手術後の所見になります。

ウサギさんの去勢手術においても、当院ではシーリングシステムを用い、身体の中に糸を残さないように手術を実施しています。

ウサギさんは他の動物よりも麻酔へのハードルが高く、迷われることと思います。
もしも、ウサギさんの去勢手術・避妊手術を考えている方は、一度動物病院にご相談ください。

執筆担当:院長 渦巻浩輔

この記事を書いた人

渦巻浩輔

2013年大学卒業後、埼玉県坂戸市のブン動物病院で4年間の勤務医を務め、犬や猫、エキゾチックアニマルの診療に携わる。2016年からは東京都の小滝橋動物病院グループに勤務し、CTやMRI、心臓外科、脳神経外科を始めとした高度医療施設に身を置き、2019年からは同動物病院グループの市ヶ谷動物医療センターにてセンター長を務める。高度医療に携わりながら地域の中核病院として診療を行なった。2022年11月、東京都板橋区赤塚に成増どうぶつ病院を開院する。日本獣医循環器学会・日本獣医麻酔外科学会・獣医アトピー・アレルギー・免疫学会・日本獣医エキゾチック動物学会所属。特に循環器・呼吸器の診療を専門とし、心臓病についてのセミナー講師も行っている。